瓦について

屋根材を選ぶときには何は大切でしょうか。屋根は、大切な家を激しい雨や風から守り、家族の暮らしと健康を守る大切な役割を担っています。
したがって、屋根材には、たくさんの機能が必要とされています。

焼き物の瓦は断熱性・通気性・透湿性に優れている

焼き物の瓦の持つ大事な性能で、断熱性・通気性・透湿性がすぐれています。

新生屋根材は軽量化の為薄物で直接野地板(合板12mm)に釘打ちするため、太陽で屋根材が熱せられるとその下の野地板・小屋裏(天井裏) にまで伝わります。それの防止に別の換気設備や断熱材が考案されているのが現状であります。

その点焼き物の瓦は、その物に厚みと隙間があり直接熱を伝えず、その隙間で空気層を形成し自然に通気・換気機性能を持っています。

昔から伝承してきた日本家屋は木や土や竹等自然素材のみで出来ており、それらは湿気の多い高温の夏場は湿気を吸ってくれ、乾燥し低温になる冬場はまたそれらから湿気が出てくる。
つまり「息をする住宅」は一年を通して快適に過ごすための日本人の知恵だったのです。

天戸瓦では、シックハウス症候群やアレルギー物質のない「息のする屋根」を提案していきたいと思います。
 

焼き物の瓦は経年劣化に強くメンテナンス費が軽減される

大手メーカーの瓦は、弊社天戸瓦が使用する淡路瓦や三州瓦とは違い、ほとんどがセメント系の材料で成型し養生し塗装したもので、焼き物の瓦に比べれば耐候性に弱く紫外線にも弱いのが現状で15年もすれば当初の色は裾せてきます。

それに比べ焼き物の瓦は経年劣化に強く、当社の施工例でも30~40年経過しても変化のない屋根が何例もあります。

従来の施工法に比べて耐震性・耐風性が飛躍的にアップした「ガイドライン工法」

震災以降、全日本瓦工事業連盟で考案され国土交通省 (当時) 認定のガイドライン工法として確立されている瓦工事方法があります。

使用する屋根材は焼き物の瓦で以前のように練土を使わずに現代の金物で留め付け緊結し葺き上がる方法で、出来上がりの見栄えは以前と変わらないが中身は大きく変わっています。
軽くて、地震に強い屋根に仕上がります。

 

各種瓦の詳細

「J形」は、伝統的な和瓦の系譜を受け継ぐデザインです。社寺・城郭・茶室など日本建築が培ってきた屋根瓦の伝統美を基本モチーフとし、明治以降に流入した西洋建築のアイデアや工夫を積極的に採り入れ、今日見られる多彩なJ形の世界を形成してきました。
在来工法やプレハブなどの一般住宅はもとより、役所・学校・ホテルなどのコンクリート建築でも多彩に採用され、[現代建築]にかかせない屋根瓦となっています。


いぶし瓦は釉薬を使わず、焼成したあとに空気を完全に遮断、「むし焼き」にする燻化工程が特徴です。このときLPGなどで素地表面に銀色の炭素膜を形成させます。
釉薬を用いず、素焼きにしたり、金属酸化物を原料に練り込んだり、焼成時の窯内での酸化・還元などコントロールすることで独特の窯変色を出す瓦は、いぶし瓦と同じ無釉系でも燻化工程がなく、無釉瓦として区別します。


「F形」のFは、平面を意味するフラットに由来します。Fの名の通りJ形瓦の基本である山と谷の凹凸をなくした平板状のデザインが特色で、その平面形状を活かして凹凸や波形をあしらった洗練きれたデザイン感覚の瓦が多数製品化されています。
また、F形には鬼瓦など特殊な役物瓦が少なく、全体の印象としてはすっきりとした西洋感覚あふれるモダンな屋根に葺きあがります。


「S形」は、西洋建築とともに移入されたデザインで、「S」はスパニッシュに由来します。
かつてのスパニッシュ瓦は、日本の本葺き瓦のように、山と谷が別々の瓦で構成されていました。そのスパニッシュを改良したのがS形で、山と谷が一体となった一枚の瓦で形成されます。その結果、施工性・コストパフォーマンスなどが著しく向上しました。


瓦の主な産地


淡路瓦について

日本3大瓦のひとつ淡路瓦は、幾多の時代と社会の変遷のなか、400年の歴史を刻んだ伝統工芸的地場産業です。
その間、先人から子々孫々へと受け継がれ、知恵と美意識に磨かれた瓦の形状は、実に数千種類にも及んでいます。 日本の屋根を代表する淡路瓦として、その巧みな組み合わせにより、あらゆる建築物、建築様式に飽きることのない詩情と普遍美を表現し、都市の街並や田園風景にしっとりとした調和と奥深い情緒を生み出します。

淡路瓦は美しい銀色のサエが特徴のいぶし瓦を主体に、釉薬瓦(陶器瓦)、無釉瓦、形状では和形やF形のほか多種類の形状のものが生産されていいます。
「なめ土」と呼ばれる粒子の細かい粘土がいぶし瓦に適しており、いぶし瓦の生産量は全国一です。

天戸瓦の施工の多くは淡路瓦を使用しています。

※淡路瓦の詳細は淡路瓦工業組合Webサイトで詳しく説明しています。

淡路瓦の種類

【和形】
もっとも親しまれてきた“スタンダード瓦”。和洋、用途を問わず広く使われています。
【平板】
直線的なラインでシンプルな美しさを表現。洋風住宅や現代建築などに、洗練された印象が生まれます。
【S形】
凹凸が大きく表情豊かな屋根に。和洋、建物の種類を問わず、個性を多様に表現します。
【いぶし瓦】
焼成時、瓦表面に炭素膜をつくる「燻化(くんか)」を施すのが特徴で、いぶし瓦の美観と性能に結びついています。 伝統的な日本建築のみならず、繊細で洗練された意匠性から、近年では洋・モダン建築にも幅広く利用されています。
【陶器瓦】
成型乾燥したのち、釉薬をかけて焼きあげます。色彩が豊富で、色つやが良く、変色・退色の少ないのが特長。 和風・洋風・現代と建築の様式を問わず、施主の個性を豊かに表現する瓦です。
【窯変(ようへん)瓦】
文字通り、窯で色味に変化をつけて焼きあげる瓦。化学的な手法を使わずに、原料となる土の微妙な味わいを炎で再現する淡路独特の製法。 自然な窯変の味わいが、住まいや都市空間に優しい景観をつくりあげます。